口唇期 〜その1〜
私は小さい頃から、寝るときに毛布を口元にあてて寝ていました。いつもの毛布でないと寝にくさを感じました。
高校生くらいまでやっていたような気がします。
その癖があったのは、三人兄妹の真ん中の私だけでした。兄は、小学生くらいまで指しゃぶりをしていた記憶があります。妹は、そういった癖はありませんでした。
このような口元の癖を持つ人は、口唇期(こうしんき)、生まれてから1歳半くらいまでの期間に、口からの満足や愛を得られなかったことが原因だと考えられます。つまり、おっぱいが欲しい時に十分に与えられなかった可能性があります。
私は実家が専業農家だったので、母は朝から晩まで田畑で働いていました。恐らく、お腹が空いて泣いてもすぐにはおっぱいはもらえなかったでしょう。母のタイミングで飲んでいたと思います。
そして、母は寝かしつけもほとんどしていませんでした。夕食後、私たちを布団に置いてまた仕事に出ていました。成長した私たちには、勝手に寝てくれて良い子達だったとよく話していました。
でもやはり寂しかったのだと思います。毛布を母の代わりにして寝ていたのですから。
そんな小さかった自分に、寂しかったね、お母さんと寝たかったねと声をかけてあげました。涙が溢れてきました。
そして、母からその時に十分な愛をもらえなかったのではという疑惑については、母は忙しい中でも私を愛してくれていたと確信できるエピソードを思い出しました。祖母が私をストーブの前に置いて家事をしていたのを見つけた母は、祖母にキツく注意したと聞いたことがありました。
こうして口唇期の私は、少し癒されました。
(次回は口唇期の欲求の抑圧が及ぼす影響をお伝えします。)
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